かぐや姫の野菜畑

昔々あるところに、発達障害の子供を育てている母親グループがありました。母親達は、子供達の将来の仕事の選択肢の一つとして、野菜作りはどうだろう?と考えました。そして、まずは自分達が野菜作りを学ぼうと思い立ったのです・・・

「植え付けから2ヶ月半」秋ジャガ(アンデスレッド)編(2021)

9月14日に植え付けた秋ジャガ(アンデスレッド)は、

11月28日で約2ヶ月半が経過しました。もうすぐ収穫です。

 

施肥+土寄せも適期に行い、強風で数株の茎が折れてしまってはいますが、

順調に育ってきたように見えます。

 

ただ、3月に栽培したキタアカリを思い出してみると、

野生的な強さは感じられず、少し頼りなくも見えます。

 

 

さて。

 

 

畑を見廻りながら、母弟子は師匠と話します。

 

「芋はどれくらい大きくなっているでしょうね。」 by母弟子

 

「なんぼも大きくなっとらん。採れたって種芋に使えるくらいだ。」 by師匠

 

 

そうでした。

師匠は秋ジャガには興味がないのでした。

芋が太らないし、数も採れないし、第一美味しく作れない。

 

「ほんとに作るんか?」

 

それを聞いた時、母弟子は思ったものです。

 

美味しく作って褒めてもらおう。

一生懸命世話をすれば、きっと出来るはずだ。

 

きっと。

 

 

そして母弟子は、師匠が見ていない時に、1株掘ってみたのです。

 

・・・親指ほどの大きさの赤紫色の芋が3つ。

 

 

 

一生懸命やっても、どうにもならないものもある。

それは野菜作りでも、発達障害の子供を育てるのとも、

それ以外の何事とも、きっと同じなのでしょう。

 

 

もしかしたら。

 

 

土が合わなかったのかも知れない。

今年の気温が合わなかったのかも知れない。

肥料が足りなかったのかも知れない。

日照が足りなかったのかも知れない。

 

何か、ジャガイモにとっては育ちにくい理由があったのでしょう。

 

近所の園芸店でアンデスレッドの種芋を売っていたので、

この地域では栽培に適さない品種、というわけでは無いようです。

きっとこの近辺で、美味しく育てている人もいるのでしょう。

 

 

 

発達障害の子供達を育てていると、色々頭を悩ませます。

 

どう言っても連絡帳を書かない。

連絡帳を書いても、忘れ物が多い。

連絡帳自体を学校に置いてくる。

 

考えられる限りの対策を練っても練っても、思うように改善しない。

 

 

お手上げ。

 

 

こんな気持ちになることもあります。

 

でも、母弟子達は「数うちゃ当たる」方式で、

手を替え品を替え、彼らに働きかけるのです。

 

上手く行くかも知れない。行かないかも知れない。

でも、どうしたら上手く行くのか模索し続けるのです。

 

 

 

 

ジャガイモは思ったように育たなかった。

 

でも、残念に思わなくていい。

 

手を尽くしたのだから。

 

ジャガイモの横では大根が元気に育っている。

 

それでいいじゃない。

 

 

 

どうしても問題にばかり目が行きがちで、悩むことがあるけれど、

きっと子供達の中でも、何かが根を張って元気に育っている。

 

それを育てていけばいい。

 

それでいいじゃない。

 

 

そう心から思えたら、すごく気が楽になるのにな。

 

そんなことを、小さな芋を前に思ったりして。

 

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アンデスレッドの畑と、親指ほどの大きさの芋。右下は6月に収穫したキタアカリ。



ではまた👋