かぐや姫の野菜畑

昔々あるところに、発達障害の子供を育てている母親グループがありました。母親達は、子供達の将来の仕事の選択肢の一つとして、野菜作りはどうだろう?と考えました。そして、まずは自分達が野菜作りを学ぼうと思い立ったのです・・・

「植え付け」玉ねぎ編(2021)

「畝作り」玉ねぎ編(2021)より続く

 

「植え付け」玉ねぎ編(2021)

 

玉ねぎ苗の予約注文から3日後、母弟子Tの携帯電話が鳴りました。

用事があって電話に出られなかった母弟子Tは、園芸店からの着信履歴を見て、胸騒ぎを覚えます。

 

「もしかして、早生は入荷できなかったのではないか・・・」

 

これは困ります。

素人には、一番育てやすいと考えられている早生から始めるのが、無難なやり方でしょう。

最初に難易度が高いものに手を出して、早々に挫折を味わうのは避けたいものです。

 

「もしかして、もう入荷してしまったのかも・・・」

 

これも困ります。

第3畑の玉ねぎ用の畝は、まだ準備中です。

週末に入荷すると言われたので、それに合わせて施肥とマルチングをする予定でいるのです。

今日入荷されたとなると、5日間も苗を母弟子邸で預かることになるのです。

途中で枯らしてしまったら・・・・。そんなの嫌。

 

意を決して、園芸店に折り返し電話をしてみます。

 

 

入荷されちゃってました。

 

 

色々予定を変更します。

まずは母弟子Sの都合を確認します。そして、師匠のアポを取ります。

 

いつもは、師匠が畑に出ていそうな時間を狙って畑に行き、指導を受けます。

でも、一度も経験の無い作業をする時などは、前もって師匠に指導を依頼するのです。

師匠も「玉ねぎを植え付ける時は、呼んでくれ。」と仰っていました。

 

師匠がパークゴルフに行く曜日は避けます。

そして、「水戸黄門」が始まるまでに、作業が終わるような時間帯で依頼します。

師匠の楽しみを邪魔するようでは、弟子として失格なのです。

 

 

師匠の奥様の携帯にメールします。

 

「OK」です。

 

その日、施肥+マルチング+植え付けを一気にやってしまうことになりました。

 

愛読書には、少なくとも1週間前までにはマルチングまで終えておくと書いてあります。

 

でも大丈夫です。

 

これまでも、1週間前に万全の状態になっていた畝は1本もありません。

それでも、美味しい野菜が収穫できているのですから。

 

問題になるのは、母弟子達の体力です。

一体、どれだけの時間がかかるのでしょう。

 

 

 

・・・そんなことは言ってられません。

 

 

さて。

 

植え付け当日、既にご自身の畑の世話を終えられて、師匠は弟子の到着を待ってくださってました。

弟子たるもの、師匠より早く畑に出るもの。

 

いつかは、きっと。

 

 

早速師匠はマルチングを施す用の畝の作り方を実演します。

 

「ほれ、やってみろ。」

 

マルチングは、これで3回目の実践。

しかし全く上手く出来ません。まだまだ経験不足でしょう。

 

師匠も明らかに見ておれなくなっています。

 

「もう1回見ておれよ。」

 

このやりとりを繰り返すうちに、畝はだんだん出来上がっていきます。

 

「ほら師匠頑張って。あと少しで端っこまで行きますよ。」

 

最後は応援に力を入れます。

 

 

畝が出来たら、黒ビニールでマルチングします。

これは、隣畑の準師匠から譲り受けたものです。

既に苗を植え付ける為の穴が空いています。超便利。

 

さぁ、200本植えていきます。

 

 

孫弟子Rは既に玉ねぎの植え付け作業に興味を失っています。

母弟子達が作業している畝の後ろで、一生懸命何かを埋めています。

見れば、引き抜いた野良大根や、土の中から出てきたサツマイモの尻尾など。

どうもぬか漬けの感覚で埋めているようです。後日掘り出した時が楽しみだとも言っています。

苗を植えろとは言いません。

彼が畑に来る目的は、日光に当たること。

これでOKです。

 

 

植え終わりました。

 

 

能力換算では、師匠、母弟子2名、孫弟子Rの合わせて約2,5人くらいで、2時間。

 

頑張りました。

 

師匠が。

 

 

「収穫までに、どのような作業をしたら良いでしょう」

 

師匠に尋ねます。

 

「なんもやらんでいい。やりたけりゃ、1月に肥料をやっとけ。」

 

1月に肥料をやるのを忘れないようにします。

師匠が仰ったことは、弟子は実行するものです。それが修行なのです。

 

そうすれば、春には美味しい玉ねぎを収穫することが出来るでしょう。

 

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畝に肥料を撒く孫弟子R。
「こんなに上手く肥料を撒ける子は、見たことないぞ!」師匠からアメの嵐。
(2021年11月12日)

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苗を植える場所に、竹棒で穴を開けて行く孫弟子R。
「こんなに上手く穴を開ける子は、見たことないぞ!」再び師匠からアメの嵐。
(2021年11月12日)

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早生と中生の苗。どうやらそれぞれ100本以上入っていた。(2021年11月12日)

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植え付け終了。「やっと終わったか」師匠もホッと一安心。何から何までありがとうございます。(2021年11月12日)



ではまた👋