「畝作り」玉ねぎ編(2021)
こんにちは。
母弟子Tは焦っています。
「本気で玉ねぎ用の畝を用意しないと・・・」
明日は雨の予報です。
母弟子は珍しく午後から畑に向かいます。
「今日やってしまった方が、良いに決まってる。」
午前中、母弟子はホームセンター2店舗、園芸店1店舗を巡りました。
昨日も2店舗巡っています。
「早生」の玉ねぎの苗が欲しいのです。
嫌な予感はありました。
行きつけの園芸店で、お客さんと店員さんの話が耳に入ったのです。
「もう極早生はないわぁ。早生じゃダメなの?少しならあるわよ。」
「そうねぇ、無いなら仕方ないわね。じゃ、残りの早生をもらっていくわ。」
1ヶ月前の母弟子なら、この会話は理解できなかったことでしょう。
母弟子のざっくりとした知識によると、玉ねぎは、植え付けから収穫までの期間や、
貯蔵性によって、大きく3つのグループに分けられるようです。
「早生(わせ)」「中生(なかて)」「晩生(おくて)」
以前、母弟子は師匠に尋ねました。
「玉ねぎはどのタイプを植えるといいでしょう?」
「どれでも好きなやつでええ。早生とかな。」
「早生」を植えることが決まりました。
師匠が固有名詞を出した時には、それに従うのが賢いやり方です。修行とはそういうものなのです。
そして、師匠の奥様も同じご意見と来れば、迷う必要はありません。
でも、ネットで玉ねぎの知識を仕入れた母弟子Tは、玉ねぎトークを更に発展させてみます。
「極早生はどうでしょう?」
「ま、極早生でもいいぞ。あれはあまり締まらんが、肉厚でうまいんだ。」
極早生は、早生より何でも短めの玉ねぎです。
「中生や晩生はどうでしょう?」
「晩生なんか、あんたらにはまだ無理だ。吊るして置くところもないし、うまくやらんとすぐ腐っちまう。」
満足しました。
母弟子が玉ねぎの種類の読み方を知っていることを、さりげなく披露することができました。
そして、昨日。
「しょうがないわ、残っている早生をもらっていくわ。」の会話を耳にするのです。
玉ねぎ用の畝を作ってから、苗を買おうと考えていた母弟子は、焦ります。
早生の苗が出回る時期が、終わりに近づいているのを感じたからです。
予感的中です。
売られているは中生と晩生の苗ばかり。
すがる思いで、行きつけの園芸店で、決定権を持っていそうな店員さんに尋ねます。
「早生、何とかなりませんか?」
「早生が欲しいの?」
今から早生?と言いたげなのは、母弟子の気後れ感からの思い込みでしょうか。
店員さんは、台帳みたいなものをパラパラめくります。
そして、奥に控えている様子の店長さんに問いかけます。
「早生、まだ予約取っても大丈夫?」
店長さんの答えは母弟子には聞こえませんでしたが、雰囲気からOK が出ているようです。
「何本欲しい?」
「50本で。」
「あら、それくらいの量なら大丈夫よ。」
「やっぱり100本で。」
「100本ね。週末に入荷するから。電話しますね。」
やりました。
こうなったら、早く畝を用意しないと行けません。
もう、苗がやってくる日は決まっているのです。
そして、午後。
第3畑を耕していると、師匠が姿を現します。
この時間に畑にいらっしゃるのは、最近ではあまり見かけません。
偶然でしょうか?
「おぅ、やっとるな!」
母弟子は経緯を話し、早生100本を植えるつもりだと伝えます。
「100本なんて、そんなのちびっとだぞ!200本は植えんと!」
追加で中生も100本植えることになりました。これも早めにゲットする必要がありそうです。
とりあえず、苦土石灰を混ぜ込んで、土を耕すことはできました。
あとは施肥して、マルチをかければ、苗を迎える準備は整います。
「玉ねぎ植えるためにそんなに深掘りしてる人、わしゃ初めて見たぞ。」
形になってきた畝を見て、師匠は笑いました。
ではまた👋