勇気ある撤退(トマト編②)2021
勇気ある撤退(トマト編①)の続き
勇気ある撤退(トマト編②)
「おう!こりゃ立派に育ってるじゃないか!見事だな!」
第3畑のミニトマトを見て、師匠がアメを下さいました。
「師匠さ、第3畑はミニトマトに向いてないって言ったじゃない?でもほら、育ってる。」
若干挑戦的に母弟子Sは師匠に告げます。
「わしは、そんなこと言っとらん」
人は、記憶違いをすることがあります。師匠も例外ではありません。
そして、母弟子達の記憶違いの可能性もあるのです。
師匠と母弟子Sは「漬物は食べない」という共通点により繋がっています。
「わしは漬物は食わん!」「私も〜」という会話を聞いたのも、一度や二度ではありません。
さて。
トマト達は順調に成長していきました。
トマトには、「芽かき」「誘引」という大事なお世話があります。
これらを怠ると、美味しいトマトは期待できないと言っても良いでしょう。
そして、大事にするあまり、肥料や水を与えすぎるのも問題です。
過保護では美味しいトマトは期待出来ないのです。
「野菜を作る時には、その野菜の出身地の気候を考えればええ」常々師匠は仰います。
トマトはアンデス地方ご出身の、ナス科の野菜です。
トマトはナス科。
皆さんはご存知なことなのでしょうか。母弟子Tは首を傾げました。
ナスのご出身はインドの東部。
高温多湿が好みで、水も肥料も切らすこと勿れ!という、日本の夏にマッチした野菜です。
トマトは、何がどうなって、ナスの親戚になったのでしょう。
そして、ジャガイモもナス科だったとは。
地上と地下。
何がどうなって・・・
母弟子は師匠に尋ねます。
「共通点は何なのでしょう?」
「・・・」
理論的なことは、自分で調べれば良いのです。師匠を困らせてはいけません。
どうやら「花」がキーワードのようです。
そして、どの野菜が何科に所属するのかを知っておくことは、とても大切なことです。
野菜には「連作障害」というものがあり、同じ科の野菜を同じ場所で立て続けに育てるのは、ご法度なのだそうです。
土壌の養分の偏りや、微生物や病害虫の影響を受けて、野菜が育たなくなるからです。
マメ科など、長いものですと、4〜5年は避けた方が良いものもあったりします。
さて。
トマトの出身地はアンデス地方。
その土地は、比較的冷涼で、乾燥気味。水や肥料があまり豊かでは無いとお見受けします。
その環境にどこまで近づけることが出来るか・・・。
それが豊作と不作の分かれ目と言えるかも知れません。
そして、母弟子達は師匠の指導の下、確実に豊作への道を進んでいたのです。
勇気ある撤退(トマト編③)に続く。
ではまた👋